佐田かおりさん

 

 

「これを描きたい!」

 

 

 

 

元気いっぱい。

ファッションには大好きなミッキーマウスのアイテムを必ず取り入れ、

おしゃれにコーディネイト。

弾けるような笑顔で片山工房に来られる。

 

 

使いたい紙の大きさや画材など自分のやりたいことのイメージをスタッフに伝えて、

準備万端を整え今日の活動が始まる。

描きはじめる前に、画用紙全体を見て一呼吸置く。

ぐっと気持ちを一つにして筆を動かす。

そして一つ色がついた次の瞬間、

かおりさんの表情はパッと明るくなり、嬉々と創作に打ち込む。

 

 

大きな紙に創作することも多く、

画用紙の隅々まで塗り残しのないようにじっくり塗っていく。

初めて80号キャンバスに描いた時は、

キャンバスの縁の部分も塗られたこともあり、

大胆さと、細部へこだわる一面も持つ。

 

 

かおりさんは、変わらず繰り返し描いておられるものがある。

「自分の顔」「ひまわり」「干支」「ハート」である。

 

 

「ハート」の作品は、そのマークと一緒に家族の名前や

いつも身近にいる人たちの名前と似顔絵を描かれることがある。

 

 

シンプルな形の中にかおりさんにとって大切なことや好きなものへの思いが、

そこにぎゅっと詰められている。

 

どんなことがあっても、大切なことや大好きなものの基盤に立ち戻ることができ、

またそこから新鮮な気持ちで楽しいことを続け拡げていくライフスタイルがあり、

かおりさんの強さを感じる。

その強さと、明るさのある、かおりさんの作品「ひまわり」の1作は、

東北の復興に寄り添う企画展示「花・こころの復興」において、

現在も宮城県に飾られ続けている。

 

 

作品が出来上がると必ず周りの人に声をかけ、できた!嬉しい!

という気持ちとともに作品お披露目と記念撮影も抜かりない。

 

そんなかおりさんの人と人をつなぐ空気感が、

片山工房の現場を作っている、

そう言ってもいいのかもしれない。

 

 

 

(文責 久保遥)