年頭のご挨拶 本音と尊重

 藤尾さんの作品

 

新年明けましておめでとうございます。

新たな年を迎えるにあたり、一言ご挨拶を申し上げます。

昨年も多くの方々との出会いと、福祉施設において通われる方、

お一人お一人の充実度と必要性を図る一年でした。

改めまして御礼を申し上げます。

 

湯井さんの作品

 

 

 

いつもなら、もう少し堅い文面なのですが、今年は思う事を。

 

 

佐田さんの作品

 

 

先ず、大きく俯瞰的に感じての話といたしまして、

福祉業界やアートの世界、

そして社会での立ち位置を明確に意識した年でもありました。

ありがたいことに、昨年は文化功労賞を受賞させて頂き、

文化として福祉従事者の寄り添いや、

通われている方の表現が芸術として認めて頂いた事は、

この業界での小さな半歩になったに違いありません。

 

そして、この小さな工房でも、週1回や月1回の方々を含めると、

40名近い人が通われ親御さんを合わせると、

小さい所帯ながら100名を越える場となりました。

 

これからの特に、福祉とアートの世界は、

従事者の質の向上と利用される方の目的が明確であればある程、

良い場を形成出来る素材ある場を、提供出来ると信じています。

 

木村さんの作品

 

業界の慢性的な人手不足が質の低下に直結し、

利用される方の充実度が低くなる傾向の現状と未来に危惧しながら、

今後は業界全体の「質」底上げが肝になると考え、

微力ではありますが、福祉とアート、

高齢者や児童に障害のある方の普通の営みを意識し、

大きく見て発言出来る場でしっかりとした声を届けていきたいと思います。

 

 

鈴木さんの作品

 

 

今後は、人口が減るなかで、必ず福祉施設も今日にある、

廃校されてゆく学校と同等のスピードで数十年後に特に小さな場は、

生存競争となるでしょう。

質の高い、本当に必要な場を築き、選ばれる工房を目指したいと思います。

タックス市場から市場の変換期を向かえるに違いありません。

 

それには、様々な方々が様々な想いで片山を選ばれ、

その方々の小さな言葉を真っ直ぐ受け止め、

「その望みとは」

「その想いとは」

「その人とは」

を考え抜くことが大切であるように感じます。

 

 

白井さんの作品

 

 

君の本当の音色とは

本当に描きたいのか

本当に明るく生きたいのか

本当に人が好きなのか

本当に通いたいのか

本当にしあわせか

本当に。。。

 

それが分かるまで、いっぱい信じたいと思います。

目一杯、手を出さず

精一杯、力の限り信じたいと思います。

それは、その人たちには、無限の可能性があるからです。

 

常に原点は、楽しい暮らしでした。

明日が見える、楽しい暮らしでした。

 

計算高く生きるのではなく

その人の暮らしや、その人を尊重し、まだまだ未熟ですが

未来を考えたいと思います。

 

僕が、片山工房の場を維持しているのは、

とてつもなく可能性のあるキラキラとした箱だからです。

 

田口さんの作品

 

 

 

次は、少し小さな視野ではありますが。

 

今年のテーマは「冷静なる調整と挑戦」

常に時代の流れは、人の欲の流れでもあり、人の数でもあります。

技術革新は避けられず、人の心の核心は変わらないと信じて、

これから起こるであろう物事を、前のめりでもなく、反り返る事無く、

自然に真っ直ぐ立つ姿勢と考えをもち、時代の微調整を測りながら、

求められるメンテナンスを行ないたいと思います。

 

そして、挑戦として、時代の先を行く「必要なこと」行なっていく事が、

常に切り拓く存在として邁進してゆく所存です。

実際には、利用されている方々が描く「絵」を市場に出し、

本当に何が必要か確かめる時期でもあり、

社会と人と片山工房のチャンネルを合わし、

オープンにしていく事で、現状と未来に必要な事柄とチャンスを捉えたいと考えています。

 

地道に地味に着実に確実な「人が軸」を基礎基盤として、

世に出る一年となるでしょう。

一貫とした軸と時代との距離を確認し保ちながら、

この一年も、利用される方の本音と向き合いたいと思います。

 

厳しい言い方ですが、常に危機感を持つことでしか、成長は望まれないでしょう。

 

日本と言う社会構造と未来の想像力を十二分に理解し、

発揮出来る場であり続けるには、良質な情報と、徹底した人の本質を得ることが、

100年の存続の装備として不可欠であると同時に、

自由な選択と「そのままで良いこと」を体感する場を感じて頂く事を中心に歩んで参ります。

 

 

常松さんの作品

 

 

人の未来を携わる場として、未完成は最大の完成であると看取し

あるがままに生きることの尊さ、

人を真摯に尊重し、時には笑顔の裏側を察し

時には微笑みが美しいと感じ

時には心の隙間風を塞げ

人には各々、列記とした「名前」があること

そんな社会と人と工房の「想いのつながり」であり続けたいと願います。

 

明日ある人たちと、今日を生き

明日ある場を目指して

また、みなさまとお会いしお話ししたいです。

同じ目線で。。

 

 

それでは、どうぞ、まだまだ幼い工房ではありますが、

ご指導ご鞭撻を頂戴し、

今年も、皆様とご家族が一年健康であること、

そして実りの多い年となることを祈念して、

拙い、私の年頭の挨拶とします。

 

 

 

特定非営利活動法人100年福祉会

片山工房 理事長

 

新川修平