「新しい普通」

 

 

 

 

日々考える日々、二歩すすむが一歩半下がる。

ありがたい事に、半歩まえに出ている。

 

今回の新型コロナに関して、福祉事業としては、

ある意味普通の活動ではなくなった。

目にみえない「もの」とシビアに歩調が合わさっている。

 

4月の緊急事態宣言、市からの要請もあり、

開所を進め親御さんにお知らせをしたが、

次の週、通われる方々には、感染拡大を考え、

大変申し訳ないと思いながら自粛とさせて頂いた方や、

自ら自粛を選ばれた方、そしてやむ得ない事情で通われる方、

色々あれども、本筋は罹患されず、

長期的な視野でまた元の状況に戻したいことを優先し決断した。

 

 

今後、片山として考えるのであれば、1年から1年半は劇的に再生するよりも、

のらりくらりと曖昧な中間層を手繰りながら進むに違いないと想定し、

社会と場が限界の来ない程度に両立しながら、

その中で、必要とするスタイルと本来ある福祉の「すがた」を

取り戻すのではないかと期待もしている。

 

なぜなら、「選ぶ」その一点に片山は集中し活動して来た背景があり、

「選ばれる」ことを理想としている。

今までの「通う」だけのスタイルではなく、

「気にかける」「個人個人の想いをカタチとして届ける」

この自粛スタイルが、長期戦で「新しい普通」を産むのかもしれないと考える。

 

これまで、通いたくても通えなかった人々や、

人が少し苦手だけど創作してみたい方、

通信制の大学や高校ではないが、

全国から遠隔でも必要なメゾットと上質なサービスを

学ぶ可能性と機会を感じたい方、

これは極端な例だが、需要はあり得るのかも知れない。

 

常に状況は変化し、今回のように90度以上角度が変われば、

モノの発想もその度数以上がないと成立しにくい。

まずは、客観的に福祉業界の今と明日を鑑み、

必要な材料はないか確かめている。

 

人と人が交わる大切な「資源と施設」をこの時期だからこそ、

収益とにらめっこをしながら、

新しいソース源から新しい普通を開拓したいと思う。

 

先ずは、この状況で不備を頂いている、

ご家族に再会・再開するまでの間、今以上の提供と準備を行い、

スタッフに関しても最前線で感染リスクを抱きながらも、

今以上の活動に徹してくれている事に感謝し、

安心安全な場を丁寧に紡ぐことを第一義に進めたい。

 

 

常に長期的な視野と足元を確認して、

人の表現の在り方と福祉事業を再確認し、

まだ、真っ只中である「今」を分析しながら、決断の日々は続くのだろう。

 

たぶん、もとにはもどりにくい、

だから、こちらが相手の想いに寄り添い、変わらなければならない。

 

中長期から逆算した、あるべき姿の「人が軸」である片山工房を今歩みたい。

 

先ずは、色々な制度や人の行動を考える。

 

新しい価値観と新しい普通は相性が良いように感じながら。

 

どうかどうか、みなみなさま、くれぐれもご自愛下さい。

 

 

しんかわ拝