年末のご挨拶。生きろ。

 

年末のご挨拶です。

今年は、能登の地震に始まり、来年は阪神淡路大震災の30年目を迎えます。

片山工房としては、令和6年の報酬改定に「人の自由」の意味を深く考え、

そして国の財政基盤に揺さぶられる日々を過ごしてきました。

福祉とはなんなのか。

福祉とはなんなのか。

暮らすとは。

 

僕は、20歳の時に震災にあい、家や仕事全てを失いました。

でも、避難所生活を学校で続ける中で、寒い真っ暗な校庭に

大きな釜に炊き出しの豚汁を食べた記憶が鮮明に残っています。

あたたかな炎を囲むように、その豚汁を、障害ある無しに関わらず

肩書きも関係なく、食らう力が明日を力強く生きる源になりました。

 

そのフラットな同じ目線で会話をした日々が、

今の片山工房や僕の人や社会に対しての明日をつくる礎になっています。

そう、フラットな考えの集まりに未来を想像できたのです。

 

足元の小さな花を愛でる力が、僕の生きる力となって、、

本年は、片山工房の日本展を地元の長田で行いました。

老若男女の方々が、愛でる絵を見、微笑んだとき

僕のお役目は、明日を豊に見せる仕事だと強く意識できました。

 

社会は残念ながらフラットにはなりにくい構造から成り立っています。

ただ、そのフラットを意識すれば、必ず人の「できる」を見出すことでしょう。

人は生きています。

人の生に一切の無駄はないように

「できる」を育て、「できた」が舞い上がる。

なぜか僕は人を寂しくさせてはダメだと思うのです。

だから、皆が心躍る、明日がある社会を築きたい。

 

震災の瞬間、道路に出てうずくまった自分。

未来が見えなくなった自分。

 

閉じてしまった世界に

片山工房は、少し見る角度を変えて、

すべての方々に、開かれた世界を感じていただけるように

地道に歩んでいきます。

 

最後に、片山工房に面接に来てくれた方々は

とても淋しい目をしている人が多かった

でも、皆さんやスタッフのお陰もあり、豊な空間で描いた

一枚の絵には、見る人に明日を与えることでしょう。

そして描いた方々が認められ、何者かになる。

力強い刮目した人々になる。

 

だから、どんなことがあっても

強く言いたい

「生きろ」。

 

 

今日で仕事納めです。

 

スタッフに感謝。関係者に感謝。片山工房を必要としている方々に感謝。

 

そして、ありがとう。

 

 

しんかわ拝