白井望さん

お笑い芸人を一貫として描き続けている。

コンビ、トリオであっても描くのは一枚の紙に一人ずつ。

 

その芸人のよく笑っている顔や、舞台で活躍しているところを資料として集め、

じっと見つめる。そして、濃く柔らかい芯の鉛筆で大胆に顔の輪郭を

さっと描いたかと思えば、注意深く資料を見て形を確かめ、

丁寧に消しゴムで消し、また線を描く。また消す、

そして描く。時々塗りこむ。

それを繰り返しているうちに鉛筆の線は手で擦れ芸人たちの残像のようになり、

ネタを悶々と考えているかのような姿のモノクロのブロマイドが完成する。

「サトウてつお」

 

「せいじ」

 

「ミズキ」

 

時々鉛筆を机の上に置き、静かに自作を見つめておられる時がある。

完成したのかと思い、スタッフが隣へ行くと

「難しい・・・」

とポツリ、話してくださった。

服の模様や体の形、髪の毛の量感など、納得がいく形に創り上げていくために、

じっくり作品と向き合って考えておられるのであった。

「ダイタ」

 

「藤田」

 

いつからお笑いが好きだったのかを尋ねたことがあった。

曰く、子供の頃テレビで放映されていた漫才などを録画し、それを繰り返し見ていたとのこと。

その影響もあってか、上方漫才が輝かしい時代のそうそうたる漫才師たちを描かれることが多い。

また、演芸バラエティ番組「笑点」が50周年を迎えた時、スタッフとの会話の中で

笑点のメンバーをシリーズ化されたこともあった。このシリーズでは望さん自身の思いから、

噺家の着物や顔に色鉛筆で色を塗った作品も多く完成した。

「無題」

 

「家入」

 

「きくぞう」

 

創作している時の物静かな空気感。

かたや、休憩時間ではスタッフが「ボケ」を担当すると、満面の笑みで、

「なんでやねん!」と痛快な「ツッコミ」を入れてくださる一面もある。

 

一作品一作品、じっくり描かれた作品はずいぶん多くなってきているが、

望さんは面白いことを話し、大笑いしながら、次は何をしようかと

 

「おもろい」は尽きないようである。

 

これから望さんの自由な作風を、もっと、見てみたい。

 

(文責 久保遥)