© 2013 片山工房 Facebook
新年のご挨拶と「平和とフラストレーション」
ちょうど、昨年の今日1月16日は、片山工房や僕にとってとても意味のある日となった。
兵庫津ミュージアムにて、天皇皇后両陛下との懇談が開かれた。
今だから話せることだが、その年の夏に一報の電話が入った。
天皇皇后両陛下に医療福祉そしてアートの代表として懇談をしていただきたい、
そして僕の震災体験を話してほしいと、すぐには快諾出来なかったが、腹を括った。
両陛下の懇談のタイトルを求められ、僕が打ち出したタイトルが、「フラットな社会へ」
震災の2日後から始まった、暗く寒い学校の避難所生活での炊き出し、
いろんな身なりの人が「同じものを食し・生きると言う同じ目標を持って・そして皆が同じ不安を抱え」
立つ足元は皆同じ地平線からのスタートとなった。肩書きのない明日が生まれた。
人として、生きるとはを否応なしにも考え教えられた。
両陛下に当日、その僕の思いをお伝えし、
天皇陛下から「避難所ではご苦労されましたね、寂しくはなかったですか」とお言葉を頂いた。
皆が居るので寂しくはなかったですが、明日が見えない不安を抱えておりましたと返答をした。
そばでそっと皇后陛下が頷かれた。
社会は皆強弱あれば、立場もあり、経験も違う、ただお互いの目線はフラットであることから、
本当の物事が始まると思いますとお伝えし、
天皇陛下がグッと目を見て口を強く横にした。
そして、松浦愛夢さんのコウノトリの作品をご高覧され、
皇后陛下から、「この力強い作品を作れる場をこのままずっと続けられてください」とお言葉を頂いた。
僕は、深く一礼をした。
そんな朧げな記憶が今一年の時を経て思い出した。
大変貴重な時間だった、時空が歪んで見えるほど、時が止まっていた。
片山工房は23年続いている。
危機は何度もあった。その時にいろいろな事柄を徹底的に考えた。
最悪の状態も想定しながら、答えは一つではなかった。
白黒はっきりできるものは一つとしてなく、常に中庸思想が僕を支えた。
それが起こるまで考えないことも身につけた。
これからも困難は続くだろうが、平和だけではものは考えられなくなる。
常に、悪に蓋をしない程度の正しさと、清らかさ、そして美しさを持って進みたい。
リスクを取るしかない、それが生きがいとなることを知っているから、
怒りや悲しみの中でしかより良い感覚は産まれない、
厳しい表現だが、自分は常にフラストレーションを担保することが、
ある意味正しく進めるのではないだろうか、これから出会う人誰に対してもフラットな目線で接したい。
そこから真の本音が生まれ、必要な想像と創造的な開拓となることを信じて、
僕が伝えた両陛下に対しての言葉を生涯背負って行くことが、
発言した人生最大の重みである。
今年も、地道に進むしかない。いろいろな職種や年齢差に関係なく、大いに伝えようと思う。
プライドが邪魔しない程度の誇りを持って、かすかな声に耳を傾け、曇り空でも明るい日々を造りたい。
僕は道を間違わず、照らすことができるだろうか、何を想像し実現できるだろうか。
自分の思う、社会の課題を自分の糧として表現発信することに専念する。
過去は過去のこと、次の界に向かいます。
本年もみなさまにとって良い一年でありますよう、
引き続き僕たちをどうぞよろしくお願いいたします。
特定非営利活動法人100年福祉会 片山工房 理事長
新川修平
